そねはらすみこさんの『初夜』、これを初めて読んだのは高校生ぐらいのときだったんですけど、最近脳の奥から突然湧き出してきてどうしても読みたくなって、探しに探してやっと見つけました。
ハーレクインを書かれている作者さんだけあって、話も「なるほどな」ってところがあるんだけど、それも含めて続きが気になって仕方がない!ってなります。
一言まとめ
「初夜権」という婚姻の晩に国王が花嫁の寝室を訪れるしきたりのある国で、なぜか16歳の美少年領主アンドレアの寝室を金髪麗人国王陛下が訪れて手篭めにされたと思ったら、何だか陛下は本気モードでアンドレアにベッドから出るなと言いつけたりするけど、気に入らない部下がさらって行方不明になってしまって、どうしてるかと思ったら砂漠の民に拾われて生きてたけど、今度は敵国の王子に見つかっちゃってもう大変!という話。(未完)
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導入ネタバレ
大国ハイエルバードの辺境で、若き領主アンドレアの婚礼が行われようとしていた。
アンドレアは愛馬のエイディーンを連れ花嫁の馬車行列を見に峠までやってきたはいいものの、草むらに転がり眠りこけてしまった。
ふと気がつくと、アンドレアに馬上から剣を向ける男が
「…まだ見ぬ花嫁を思うて昨夜は眠れなんだか?領主殿」
馬上の麗人はそう言うとアンドレアを片手で軽々と引き寄せ口付けた。
「無礼者!!!」
振り払い剣を抜きかけた所へ男の従者がやってくる。
「陛下!!マクシミリアン陛下!馬車にお戻り下さい!」
アンドレアは陛下と呼ばれたその人を見つめる。この国で陛下と呼ばれる人など一人しかいない。
颯爽と去っていった後に残されたアンドレアはきっとからかわれたんだ…と気を落とす。
花嫁はレオンドーネ姫(24歳)アンドレアより8つも年上で、参列者の噂話は聞くに堪えない。
そうして迎えた婚礼の夜、高く上った月を見上げながら一度あっただけのレオンドーネはどうしているの…と気にかけている所へ扉を叩く音が
「…はい、誰なの?何か用?」
「…どうした小鹿?私を入れてはくれぬのか?ならば無理にでも入ろう」
突然現れた陛下はそう言うとアンドレアを抱き上げ寝台に放り投げた。
なぜ陛下が僕の部屋へ?不思議顔のアンドレアは自体がよくわからない様子だが、きっと部屋を間違えたのだろうと、レオンドーネのところまで案内しますと言う。
出ていこうとすると、陛下は従者に鍵をかけさせ
「グルジリア領主アンドレア侯爵…そちに今宵、余の伽を申し付ける」
とっさに逃げようとしたアンドレアを捕まえると陛下はネグリジェを破き裸に剥いてしまう。
「…どうした子鹿?こんなに震えて」
そう言ってアンドレアの股の間に手を伸ばすと
「陛下だめ!!お…お大事にさわってはだめ!」
「お大事」という聞きなれない言葉に陛下は手を止め面白そうに聞き返す
「お大事…か、余はそのようなもの聞いたことがないぞ?」
「お、お大事は触ってはいけないものだと母上が…」
あまりにうぶなその様子に陛下は笑いだしてしまう。ならばその使い方を教えてやろう、とアンドレアに手を伸ばすのだった…
(『初夜』そねはらすみこ)
一番好きな場面
真っ白な生地にリボンとレースのついた股まである靴下はかされてるんですが、
「余以外のものが脱がしてはならぬ」とかって宣言されてしまっていて
さらには、陛下にベッドから降りるのを禁止されて、移動は常に陛下に抱っこされるか陛下の用事がある時は従者に抱っこされるかの二択になってしまうんだけど、それを知って意地悪しに来たレオンドーネに引っかかって靴下を汚してしまうんですな。
そこで運悪く床に座っているのを見つかったアンドレアはめちゃくちゃ陛下に怒られてすっぽんぽんにされます。
翌朝アンドレアが起きると新しい服が用意されていて、その服というのがケツと乳首が丸見えスケスケのシースルー。もう陛下が変態オヤジにしか見えない。
その格好のまま、朝の大広間に連れて行かれお膝の上で食事させられます。母親はぶっ倒れて、じいやはもう我慢ならんと吠えまくって………腹が痛いもうやめて!
最後に
既刊が三冊に+番外編が一冊で、完結してないがもう完結は望めないだろうと思ってます!
なぜって、数年前までそねはら先生のホームページが生きていて同人誌の通販なんかも出来たが、いつの間にか死んでしまっていたし…
まあでも、既刊だけで十分に面白い作品なので、新作の出ない『王家の紋章』みたいなもんだと思ってたまに思い出しては読みたくなる作品である。
中学生の時に読んで、アンドレア可哀想…と思った記憶があるのに大人になって読むと吹き出して笑ってんだから大人になるって一体…
未完でも上に書いたような部分だけを楽しみたい方なら1・2巻だけ読めば問題ない面白さです。
アンリミテッド無料ですが結構古い作品で画質も荒いのでそのへん気になる方は注意!