「実際私もよく分かっていない。
いつもと同じようにアパートのベッドで眠りについたら、
ルテティアというこのさめない街のハクロさんのベッドで気がついた。
現実の私がいつ目覚めるのか私もわからない。」
- アパートの部屋で眠りにつくと「さめない夢」の中に迷い込んでしまった
- 主人公のスズメを中心においしいレシピと個性豊かな登場人物が静かな暮らしを繰り広げる
- 「さめない街」は一体なんなのか?
公式あらすじ
ある日突然、眠りから目覚めることができなくなったスズメは、「ルテティア」という“さめない街”に迷い込み、喫茶店「キャトル」で働くことに。
いったいなぜ目覚めなくなってしまったのか、美味しい喫茶メニューと魅力的な夢の住人たちとともにひも解いていく、新感覚のグルメファンタジー。(『さめない街の喫茶店』はしゃ)
作者さんのこと
この漫画を書かれた「はしゃ」さんの絵の大ファンです!すき!
Summer🐟 pic.twitter.com/U26kSCSXKQ
— はしゃ (@hasya31) 2018年7月1日
今日はパフェの日らしいですね。あつ〜い pic.twitter.com/tNiBrJ35CA
— はしゃ (@hasya31) 2018年6月28日
「絵がかける」という才能は多岐に生かされるんだなあというのを体現しているお人で、イラストレーターに漫画家にエッセイ漫画に旅行記にといった具合で繊細な描写の絵で色々な活動をされてます。
最近では旅行会社からの依頼でニュージーランドに行かれたみたい、フィリピンやニュージーランドに語学留学している間も現地で絵を書いて「定住しないで学び働く」という姿勢に憧れまくりな日本の凡庸なOL…。
キャラクター性の強い人物の絵とは対象的に、食べ物の写真は程よい写実でとても美味しそうなんですこれがまた…
商業誌ではなく同人誌ですが本も出版されているので気になる方は読んでみて!
到着からブース間違ってご迷惑をかけてしまった💦申し訳ないです…🙇🏻♂️
イ5aでのんびりやってます〜 pic.twitter.com/CIRb21gpaR— はしゃ (@hasya31) 2018年6月10日
『さめない街の喫茶店』感想
あるなんでもない日にアパートで眠りについた時から「さめない街」で暮らしているスズメ。
彼女が身を寄せているのは、ハクロさんという芸術家風の見た目をしたおじいさんの喫茶店兼自宅。
そこでお店を手伝いながら色々なお菓子やお惣菜を作り街の住人と触れ合っていきます。
不思議なお話にありがちな非現実的ではっきりしない設定がたくさん出てくるわけではなくて、読んでいる間にだいたい「ああきっとこういうことなんだな」というなんとなくの世界の構造というものが見られるというか、不思議なお話が苦手な人でも読める感じ。
めちゃくちゃでかい猫とか鳥とか出てくるけど…
この本の見所は、
- 「さめない街」で現実を忘れて暮らす癒やしの時間
- 作ってみたくなるお菓子やお惣菜
の二点です。
スズメは現実の世界でのことをすべてハッキリと覚えているわけではなくて、例えばあるお菓子を作ったときにそういえば妹と作ったな…という具合で「夢」の中の経験に付随して現実のことをたまに思い出す。
お菓子にまつわる記憶たちはスズメにとってそう苦しい思い出ではない事が関係しているのかなと思うけども、時に見せる暗い表情は「さめない街」から出ることを拒んでいるようにも思える。
どのくらいの時間がたったのかもわからないし、いつ目覚めるのかもわからない、さめない街の全容はどんどんと広がっていって、色んな人と仲良くなっていく。
一冊を読み終える頃には、こちらが現実の世界のように思えてきて…
まだ連載が続いている作品なので今後どうなっていくのか、「さめない街」が終わる時は来てしまうのか…ときにチクッと思い出す現実の淡い記憶は…
美味しいものの話
限界OLはわかったさんとこまったさんシリーズが大好きな小学生でした。
小学校の図書館ならどこへいっても置いてあるこのお菓子とお惣菜のシリーズ。
ちょっと不思議なお話に、背伸びして作ってみようかなと思えるお菓子のレシピは「さめない街の喫茶店」と似たところを感じます。
ちなみに1巻で作られたレシピは、
- ドーナツ
- ミントの葉とレモンのハーブ果汁酒
- ドリップミントコーヒー
- ストロベリータルト
- オリーブとハムのケーク・サレ
- クロックムッシュ
- パナジェッツ
- ハミングバードケーキ
- パテ・ド・カンパーニュ
- トード・イン・ザ・ホール
- チョコレートブラウニー
- バブル・アンド・スクイーク
- タルティーヌ
- シュークリーム
- サングリア
- ラム酒漬けコーヒー
- ガルビュール
- コーヒー酒とチョコレートのパウンドケーキ
- 洋梨のブルーチーズクリーム添え
- ベイクウェルタルト
- アーモンドトースト
作る手間を考えたら買っちゃえば…となっていた昨今だけど、どれも一捻りパンチの効いたレシピで作ってみたくなってしまう…
とりあえずケークサレが食べたい!ままぁ…作って!!