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ゆざきさかおみ『フランシス・ベーコンの恋愛脳』

一言まとめ

 

美大で油絵を専攻する男の子が同じく油絵の准教授の先生を好きすぎるばっかりにスランプに陥り一人で悩みまくるが先生が手を差し伸べて解決する話。

 

ネタバレまとめ

 

羽間敦士(はざまあつし)は油画専攻の2年生。

奇跡的に現役合格を果たしたものの、それまで受験対策のデッサンや課題などをひたすら書いてきたため「自由にかけ」と云われてもその創作にのめり込めずにいた。

講評でも「これが本当に君の書きたいものなのか」と問われ、途方に暮れる羽間に声をかける男が。

彼は河原木恭宏(かわらぎやすひろ)油画専攻の准教授だ。

羽間は入学前から画家としての河原木に憧れを抱き、入学してすぐに悩んでいた羽間に声をかけてくれるなど河原木の優しさに惚れ込んでいた。

「自分でもいいと思っていなかったんだろ?」

そう云われて、羽間は「はい…」と返事をするしかなかった。

「卒業までは面倒見てやるから安心しろ」

そう言って笑う河原木先生に頭をわしゃわしゃと撫でられ、羽間は嬉しそうに下を向いた。

数日後、レポートを提出しに研究室を訪れると河原木先生が一人探しものをしていた。

どうやら、あまりにも机が散らかりすぎて雑誌掲載用の原稿がどこにあるのかわからなくなってしまったらしい。

手伝ってくれ、といわれそのあたりを探ってみる羽間は手書きのマインドマップを見つける。

先生の字だ…

40すぎの男が書くには可愛らしすぎる丸文字を見入っていた所に、至近距離でいきなり河原木先生が話しかけてくる。

「こらこら、見てないで探してくれよー」

肩に手をかけ、顔を横に向ければ口と口があたってしまいそうな距離だ。

心臓が跳ねる。

先生の腰つきをじっと見てしまう。

探し物など頭にない。

「あった!」

にこやかにそう言って、ジューズおごるよ〜という誘いを断り羽間は駆け出した。

ワンルームの自室に飛んで帰り、キャンバスと対峙する。

羽間がそこに描いたのは、裸体の河原木恭宏だった。

 

 

本当に書きたいものは見せられない

 

初読、経験談が多いのかなと言う印象。

ゆざきさかおみさん聞いたことがないので多分初コミックなのだろうけど、初めて作る作品にありがちな過去の経験の盛り込みをすごく感じた。

設定のみにその経験が活かされるならそれはいいのだけど、感情としても表現されているようでここが創作の難しさだなあ。

 

羽間くんは自分の描いた先生の絵に興奮して思春期ボーイになってしまう(察して)

ただ、タイトルにあるようにフランシス・ベーコンの恋愛脳というどこか芸術的な才能によってある種、一般とは異なる思考を持っている人たちの見えている世界線というか、技術的な要素に感情を打ち付けることで芸術となるその独特な世界を垣間見たように思う。

絵を描く、と一口に言っても、その行為が生きることと直結するような芸術家の世界。

羽間くんは、名前の通りどこかその世界と一般的な社会との羽間に存在しているように思える。

彼を、芸術の方面へ走らせているのは先生の存在であって、さらに一般的な社会と決別できない要因となっているのも先生がいるからこそである。

先生に嫌われたくない、秘密を知られてはいけないという思いが、彼を突飛な行動には移させない。

ただ、全裸の先生をキャンバスに殴り書き性をぶつける(十分突飛だな)

帯に書かれている、「描けないと苦しくて描けても苦しい」という思いが上手く描かれていたように思う。

 

絵が不安定

 

端っこの方にふわっと出てくるデッサンなんかは見れるのに、人物の絵がすごく不安定でした!

先生の身長が180位あるんか?というコマもあれば、あ、あれ?先生縮んだ?というコマもあって…バランス!!!

あと、おつんつんが旬を迎えたなすびみたい…

ぷりっぱりっ!!!つやっ!!!

っとしてる。なぜ?

あと、腕か?それは腕なのか?ってくらい太い時がある。

腕だったのかな…ゾッ

 

話も絵もまだまだ伸びしろを感じる作家さんなので、頑張っていってほしい。

 

先生の安心感

 

河原木先生の与える安心感がすごい。

「先生」という役職で登場しているからというのもあるかもしれないが、そもそも私の中に「教員」のいいイメージがないので、役職からと言うのは否定したい。

だとすると、描かれ方にあるのかな?と言う気がする。

決して関係が深いわけでも、その内面をしていいるわけでもないが魅力的に見えてしまう人物っていないだろうか?

この人は絶対に受け入れてくれるし、裏切ったりしないというような安心感。

これを何か感覚的に描かれているような気がして、作家さんは無意識にやっているんだろうか、気になる。

そして、この先生の感覚的な良さがあるからこそ残念だったのはハッピーエンドになってしまったこと。

はっぴーえんどでいいじゃない!

とはまさにそうなのだが、この話に限っては結ばれなくても良かったように思う。

羽間の河原木先生への愛情が本物であるならばその愛情を芸術として吐き出しながら永遠に先生を追いかけ続けてほしかった。

先生の語るフランシス・ベーコンの一説に「最後は創作のために恋人の人生を食いつぶす」というのがあった。

結構最初の方で出てきたので完全なフラグだろうと予想したが、そうはならなかった。

 

 

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