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🌸ネタバレ感想|『純情少年-僕が男とヤッた理由-』うさきこう

少し前に、うさきこうさんの『ぼくのほんとうの話』という小学生の男の子がクラスメイトに恋をする漫画を読んだ。

LGBTの作家が描くやさしい初恋の物語『ぼくのほんとうの話』うさきこう

大好きな正人くんを思う時のきらめくような感情が胸を一杯にする現実と、なかよしの友達の中でも自分が異質な存在であることを一人悩み続ける現実はその時同時に存在していて、思春期がこの状態と言うのは不安定なことこの上ないなと感じた。

コミックエッセイとして綴られるこの本が、もし小学校や中学校の図書館に所蔵されていて誰の目も気にすること無く手に取れたなら「違う」ことを心に抱える子も少しは楽になるんじゃないだろうか。

私が性的マイノリティの存在に触れたのは中学生の時。

当時通っていた中学校にALTとして配属されていた英語の先生がゲイだった。

もちろん、中学生に向かって「ゲイです」といったわけではない。

その近辺の学校や施設で働く外国人を集めたパーティーの会場をたまたま母に連れられ訪れた時、男の恋人を連れている先生を見つけて思わずじっと見入ってしまった。

母にそれを告げると「学校で言ったら駄目よ」と咎められたのを覚えている。

外国人だから…とは言いたくないが、ど田舎であれだけ堂々としていれば何か嫌なことがあったりするんじゃないだろうか…とこっちが不安になるほど彼等は堂々としていた。

学生時代にそんな人達の影を感じたのはそれっきりである。

クラスに一人はいると言われているのだから身近にいなかったはずがない。

同じ空間にいて何も見ていなかったのか、私が鈍感だっただけか、何にせよ抑圧された空気は今もあまり変わっていないなと感じる。

『純情少年』

うさきこうさんの独白コミックエッセイという触れ込みだったので、前作のような柔らかい心の変化を描き出した作品なのでろうと思ったが所々に差し込まれる無理な笑いがその描写を分断してしまっているなと感じた。

その違和感について最後まで読んで合点がいった。

「本当にあった笑える話スペシャル」というぶんか社の雑誌に連載されていたらしいのだ。

そ、それは笑える話にしないことにはいかないか…

あらすじ

高校三年間、ずっと思い続けてきた同級生の彼と、ある日出会ったゲイの大学生。

「ゲイであること」を誰にもいえず、孤独な日々を送っていた僕が、最後に取った行動は…

(『純情少年』うさきこう)

思春期

目まぐるしくいろんなものへの興味が湧いては消える思春期という時間。

見た目は可愛い系の男の子なコウくんなので女子人気も高いような描写がされていたけど、それに反して中身は本当に共感してしまうほど女の子なところがある。

部屋にクマのぬいぐるみがあったり、伊勢海老のUFOキャッチャーに嫌悪感を示したり、可愛いものへの執着と男の子よりも数段早い情緒の成熟が見えた。

見た目は男の子で、中身は周りの男の子よりよっぽど大人で、好きな人は男の子で、彼にとってはこれが普通なのに周りの「普通」とはかけ離れている。

「ぼくのほんとうの話」では仲間の中でどんどんと孤独になっていく内面となかよしの外面が同時に進行していてとても辛さを感じた。

しかし、「純情少年」は読んでいて辛い感じはあまりなかった。

時折挟まれる学生特有の話はとてもリアルで同級生たちと時間を共有している楽しさがそう思わせたのかもしれない。

小学生にはどうすることもできなかった問題も、高校生になれば書籍なんかで知識もついて誰かと共有することも出来る。

最終的に共有する人を見つけることが出来たわけで、転換期を迎えた後コウくんがどこへ向かっていったのかその先がとても気になる思春期の終わりだった。

イケメンが好き

主人公のコウくん…つまりこれを書かれたうさきさんが終始メンクイで一貫している。

堂本光一くん似のお兄さんとか!なんとなく、サラッとスッキリ系が好きなんだなあと想像した。

ご本人も美しいもんな…そりゃあそうか

思春期に極度のメンクイでさらに教本は本屋で買ってきたBL本で、大丈夫なんだろうか!?この先危ない大学生のお兄さんが出てくるんでしょ!!?と最初はめちゃくちゃ不安になった。

が、大学生のお兄さんは別に危なくなかったのでご安心を。

作中カップルが成立しない

作中何度か告白されたりしたりという場面が出てくる。

ただ最後の最後でコウくんに恋人ができた以外は誰も相手を作らなかった。

男と女でもなかなか成立しないのに、まず同族か探り探り確かめてその後に凸凹を確認し合う作業のなんとじれったいこと…

最終的に、コウくんは大学生のお兄さんとヤッてしまうんだけど、コウくんの周りに同士が一人もいなかったこと大学生のダイキくんの複雑な家庭環境を思うと心苦しい部分がある。

ただ最後に、

ねぇコウ君

ボクなりに運命を感じているんだよ

初めてだったんだ

なんてことない場でゲイに出会ったの

という大学生のダイキくんのセリフが入る。

繰り返し繰り返し描写された、宇宙の中で一人ずっと漂っている飛行機は果てしなく続く宇宙の中で偶然にも何かに巡り会えたということだろう。

図書室に…

おけません!

はだしのゲンや手塚治虫はいいのにね。

関係ないけど「火の鳥」は小学生に読ませるものなのかしら…

「ぼくのほんとうの話」「純情少年」の間の子が出版されるといいな。

おわりに

普段、BLファンタジーの感想ばかり書いているので実際に存在する人についてどう書いていけばいいのかわからなくなって解らなく……

こ、ここは…どこ……わたしは…

小学生から高校生までの思春期にこんな悩みを抱え続けなくてもいい社会になってほしいなと思う。

どうして人はどんどん賢く科学は進歩し利便は整いまくっているのに人間は苦しい方へいくのかね。

私は小さい頃の抑圧が二十歳頃にぶっ飛んだような人間なのでそれなりに大きくなってから正直女でも男でもいいなと言う結論に至った。

そもそも人間に興味が無いのかもしれない。

参考 うさきこうってどんな人?年齢・恋人・LGBT?ものしり