BLって基本的になぜこの人を好きになるのか、男が男を好きになる時心情の変化はどうおこるのかってのがなかなかうまく描かれることがないけれど、この本は表題作含めそこを多く語らないことで上手く成り立ってるなあという印象。
以下表題作あらすじ
高校在学中に文学賞を受賞してから一軒家で一人物書きをしている寺尾辰巳。仕事もある金もある(家や家具雑多なものを見る限り)ただ不眠症に悩まされている。
ある日、庭の藪から物音がして蛇か猫か!?住み着かれたら困る!とデスクにおいていた水差しから庭に氷水をぶちまける。
飛び出してきたのは首から鍵を下げた9歳の男の子。
澄晴(スバル)という名前を体現するように寺尾の悩みを暖かく晴らしてくれるのだが、親の転勤により海外へ引っ越してしまうという。
そうして10年後、大学進学を期に日本に戻るという澄晴にむけて寺尾は一冊の本を送る。
雑感
最初読んだ時は、「動機が弱い」とおもってしまった。
いやもちろん、ショタの頃から愛を誓い?10年後に高身長本場アメリカ美女にもモテまくるイケメンとなって帰ってくるなんておいしいじゃない!!と言ってしまえばそれまでなんだけど、やっぱり言うてもショタでしょ?「子供」という認識は邪魔になると思うんだ…大人だし…いくらおひさまのようで不眠症を楽にしてくれてといっても弱いなあと感じてしまった。
そこで寺尾辰巳の方を注視していくと、この人の知り合いってのは仕事の関係者しか登場しないことに気がつく。
顔が出てくるのはいい人臭をムンムンさせるぽっちゃりおじさん編集者くらいなもんで、だ~れもでてこない。
猫に住み着かれたら!なんて焦っていたところを見てもとにかくこの人は周りに誰か何かしらの存在を置くことを拒絶してきたんだなという部分を持っている
文学賞受賞の一コマからなんか若い頃はすげえ嫌味なやつだったんだろう…
「そんなこともわからないのか?」とかいいいそう…
それで人は離れていくし本人は何も間違ったことはいってないって思ってるし、拒絶されたり避けられたりしたんだろうか…という想像を…。
不眠症はその不安や寂しさによるものであって本人はその自覚がない。そこにすっぽり落ちてきてはまっちゃったのが澄晴だった。
そして同じように、両親は多忙でなかなか会うことも出来ず「眠れない時は抱きしめてもらうといいんだ…前に一回母さんにしてもらった」という澄晴も孤独を抱えていた。
「ギャクタイなんかされてないぞ!」きっと誰か他の大人にそう言われた事があって目の前の「大人」である寺尾にもそう訴えている。
それでも9歳の澄晴は寺尾よりよっぽど大人だ。周りからは「孤独な子供」「問題のある家庭」と捉えられていた自分の環境に、今まであったことのない種類の「大人」が現れる。
しかもその「大人」は自分よりもよっぽど孤独で眠れない病気で自分の目の前で倒れてしまうような人。「子供」であることと「大人」であることは彼等の関係の中で問題を持たない。
「大人」から与えられるものだと思っていた愛情を澄晴は与えることでその心を満たし、寺尾は与えられることによってその感情を知る。ここでタイトル『home』が生きてくる。
最初に戻るけど、「なんでこの人じゃなきゃだめなんだろう」という部分がうまく描かれる作品は良作だと個人的に思っている。「この人じゃなくても良くない?!」とか「これはスペック惚れだわ」とか別に他の部分がうまく書かれていればBLなんだしいいと思うけども読後感が全く違う。読んでただの紙になるか、読んで本が生き物のように感じるかくらい違う。
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