『百と卍』3巻が発売された〜🎊わ〜👏
描き下ろしは「ふんどし自由研究」っていうのが2ページあっただけで、収録時からの変更点もほとんど無しでした。最終回っぽかっったけど、一応続くのか。
そしてここから下は、『百と卍』3巻に収録予定のお話のネタバレ感想ですのでコミック派の方は気をつけて〜!
現在発表されているのは番外編を含む18話から22話までの6作品です。
ちょっと補足【これまでのあらすじ】
時は江戸時代・後期。義兄弟の契りを交わした百樹と卍は、仲睦まじく長屋でその日暮しをしていた。陰間上がりの百樹にはつらい思い出もあるけれど、今は卍兄ィといられることをなによりも幸せに感じている。
そんな折、二人のもとに卍の過去を知る男・千が現れる。火消し時代、卍の相棒をしていたという千のこと、そして卍が幼い頃から苦しんでいた、果たせぬ恋の話…。それらをすべて知ってなお、そのままの卍が好きだからと、百樹は改めて卍への思いを伝えたのだった。(『百と卍』紗久楽さわより引用)
もくじ
百と卍 第19話「十六夜、来たる」のネタバレ始まるよ
- 新キャラ(少女漫画から出張して来たか?と言う見た目)の満月ちゃん登場
- 陰間時代の同僚・十六夜と街でばったり
- 十六夜は百のことを兄に黙っていると言うが…新キャラ登場で波乱の予感
扉絵は何やら意味深な表情の十六夜さん改め六夜さんが描かれます。
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↑の三枚目に扉絵があるよ。
はい、で、
え?誰だっけ?って?
百が陰間の頃の同僚で夜這いされたり弄ばれたり出て行くときも引き止めたりしていたお兄ちゃんですおす。
いつものように、ほんのり草書で
「目には見て手にはとられぬ月のうち 桂のごとき君にぞありける」
さてはて、これは誰に向けられた想いなのか、起こる物語という感じの19話です。
ここからネタバレ
百が陰間時代を過ごした巴屋は今日も変わらず繁盛している。
百のいた時とは子供もガラッと入れ替わり、看板に描かれる名前も満月を筆頭に月の異名を取ったもの。
茶屋の玄関口では客人と男が話し込んでいる。
「そういやぁ、うちの長屋にも上方訛りの兄ちゃんがいまさあ、特に背が誰よりもデケェくせに子供見てぇに笑って気は優しくて力持ちってやつで・・・」
客の男は棒手振りので浅草の方に引っ越すと言うので暇乞いをしに来たのだ。
「お邪魔さま、六夜さん」
と行って去って行った男を見ながら六夜は何か思案しているような顔。
ところ変わって!仲良しカップルのお住まいになる長屋では、「笛吹き候」に加えて「笛指南致候」との看板が増えている。
中では卍が子供達に笛の手習いを
「手本通りに吹いてみな」
子供達の笛はなんともまだ拙いが、無茶苦茶な暮らしぶりをしていた卍にも月謝で定期的な収入ができ生活が少し変わった様子だ。
百は家計簿をつけている。
「その場しのぎの出稼ぎはやめだ、俺の気ままはもうおしメェだ」
とりあえずのところ腰を落ち着けることにしたらしい。
その晩は、潤った懐のおかげで買えた蚊帳の中でいちゃこらいちゃこらしました。
そのまた数日後、街に出た帰りに百は懐かしい匂いに引きずられる。
鼻に覚えた線香の香り・・・
「十六夜はん!!」
とっさにそう呼び止めてしまった百はハッとして店の暖簾に隠れる。
あんまり慌てていたのか軒におでこをしこたまぶつけて目を回す百を引っ張って十六夜は椅子に座らせた。
「十六夜はんなんで浅草に?」
「俺の陰間が一日こっちで買い切りや、ほんで油うっとった」
十六夜は昔の名前で呼ぶな!と百をはたき今は「六夜」と名乗っていると自信ありげにいう。
六夜は醒が店の主人になってから店のものにも子供にもきちんと金側まるようよく配慮し、義理堅く商売替えすることもできないでいると言うことを教えてくれる。
「…百樹は?」
兄の話で伏し目がちになっていた百の顔がパッと明るくなる。
「兄貴分ができて厄介になってらあ!」
ノロケ話を話したくてたまらないと行った様子の百をひと蹴り、
「男に囲われてんのかいな!しょーもな」
そう言われて否定しながらも涙目になる百樹。
店にいた頃と変わらねえと卑下されるが、珍しく食ってかかる。
「もも兄ィに囲われてねえ!惚れた腫れたで暮らしてんだ!そんだけだ!」
と宣言した。
その様子が面白くないのかからかい甲斐がないと思ったのか、あっさりと引く六夜。
そこへ六夜の陰間が現れた。
満月という名にふさわしく堂々として美しい顔立ちのその子供に百樹は複雑な想いだ。
店に帰る時間になった。
「今日のことにいちゃんに話すかぃ?」
そう問いかける百樹に六夜は、
「別にお前のこと話す義理ないわ」と言って去っていった。
続く…
で?ちょっとひと休みの感想
百と卍はどこらへんまで続ける感じで書いてんのかな?
ネタとしてはまだまだあるけども無理に続けて欲しくないなあとは思う。
「猫っ毛」とか無理に続けたばっかりに根腐れしちゃったし、BLという題材ゆえか書く力がないからなのか長く続くとよくない方へ転ぶ傾向があるから。
19話ではやっぱり百の昔がらみが出てきましたけども、突然めっちゃキラキラした目のでかい陰間の新キャラ満月ちゃんが出てきてなんか違う漫画を読み始めたのかとびっくりしたわよ。
百と卍は描きわけができているといったら聞こえがいいけど、でき過ぎていて違う次元の人間が集結してんのか?と思う時があるからもうちょっと統一感が欲しいなあと思ったりもする。
そんなこんなでこの満月を軸にして話が動いて生きそうな感じです。
十六夜さん改め六夜さんは、あっちこっち手を出しているうちに本命を逃した口だけど何やら意味深で今は誰に気を残しているのかはっきりしない。
そろそろ個人的には醒さんに出てきて欲しいのですが…
何はともあれ、幸せにくっついて安穏と暮らしているだけを見せられるのでは面白くないのでこの後、生き別れでもすればそれはまた面白いなあともうのだけど、二人には目を背けているものに決着つけて欲しいですね。
『百と卍』番外編のネタバレ始まるよ
- ちょっと一息、百樹と卍のちょっぴり○○○な日常番外編♡
- 百樹は陰間上がりだけあって道具や技術が手慣れてる…内面とのギャップよ
- お楽しみが起きそうな予感、障子の隙間からそおっとご覧あれって煽り文句でもう!
【お知らせ】2018年10月25日発売・onBLUEvol.37に『#百と卍』番外編「百印秘密色道具(ももじるしひみつのいろどうぐ)」が掲載されます。なぜ番外編かというと…殆ど着物着てない!という本筋と関係ないサービス回だから(?)です。江戸時代の”色道具”を使って楽しむ二人を宜しくお願い致します🍑 pic.twitter.com/sLPvvjfYcU
— 紗久楽さわ (@climnon) 2018年10月9日
ここからネタバレ
今回はちょっと本編をお休みして番外編の連載です。
始まりました場面は銭湯、百と卍仲良く風呂に来ていますがなんだか百は身繕いに忙しい様子。
ぬか袋で体を磨いて毛切石で全身ツルツルに…支度を終えると卍をおいてさっさと出ていってしまう百樹。
なんだか様子が変だなあと思っている卍兄さんは一人うちに帰って、百樹の秘密の色道具入れをあさっている。
中には新しい木箱が増えていてなになら手のひらほどの和綴じの本が…
それをパラっとめくって察し顔の卍をよそに、百樹は長屋のオババと一緒にお料理中。
お料理のメインは「肥後ずいき」
はい、そこのお姉さま方ピンときた方も多いでしょうそうでしょう何年この世界で生きていると思っているんです。なんとなくそんなあんなあれなものがあるとは知っていたけども、まさか商業BLで見る日が来るなんて。
なんとなく気になって結局ずいきってなんでい?と調べたら「芋の茎」だそうで、へぇぇえ
というわけで今回は、随喜プレイ回です。
おんおんのおんおんです、詳しくは言えないここは健全なブログなの、ただももまん史上一番激しかったです。
そんなこんなで疲れ切った二人の夜食は、肥後ずいきとわかめの煮物でした!ちゃんちゃん。
唐突に番外編
2巻まで発売されて次の盛り上がりどころはどうなるかなと思っていた矢先の番外編。
ちょっと間が抜けちゃったよ。
百と卍のいいところは時代考証がしっかりとした江戸のお下事情を知れるところだと思いますので今回の番外編は教本としてもとてもいいものでした。
教本とか言うけどいつ実践するというわけではないのである。誰か目の前でプレイしてくれ。
二人の関係性が、恥じらいを残しつつも長年を連れ添った夫婦のようでもあり、でもまだ話せない秘密もありで読んでいる方もハラハラしますが次回を楽しみに待ちます!
『百と卍』第20話「連理引き」のネタバレ始まるよ
- 19話の続きから始まります
- 十六夜に「男に囲われている」と言われたことがショックでならない百樹
- 千の亡くした忘れられない彫師の双子の兄・兆(キザシ)が登場、どんな経緯かはかかれないけども兆も千に恋心をいだいている様子!?一体どうなっちゃうんですか
【お知らせ】2018年12月25日発売のonBLUE vol.38に「百と卍」第20話『連理引き』が掲載されます。19話の『十六夜来たる』の続きの話になります。今回は百樹にお友達ができるの巻!新しい人物と再登場人物が続々。新キャラはいい土下座があります。よろしくお願いいたします#百と卍 pic.twitter.com/0xM8hERvfy
— 紗久楽さわ (@climnon) 2018年12月10日
百樹にとっては大好きな卍にも話せないほどの黒歴史…と言っていいのか、なんとも心に傷を残してしている陰間時代の同僚に「囲われている」ようだと言われたことがショックでならない百樹。
陰間時代の一人ぼっちの「寂しさ」は卍といることで忘れられるけれど、それはただ場所と人が変わっただけだろうと依存めいた関係を指摘されてしまう。
悲しい…うぐうぐ…いいじゃんみんな一人じゃ行きていけねえんだこんちくしょ!
しかし、百樹のその苦しみの種になっている陰間時代の暗い思い出は克服すべきものだ。
今は違う、昔と同じじゃねえ、と思おうとする百樹の眼の前に突然瓦が降ってくる。
「え?」
と驚き上を見上げると小柄な男が屋根の上で暴れまわっている。
「倶利伽羅の金太郎が受けて立つぜ!」
下で喚く芸人風の集団に向かって啖呵を切るその様子を見て百樹は咄嗟に近くの男に羽織を借りて機転を利かせ止めに入った。
なんとかその場を離脱してきた百樹に金太郎ともうひとりの連れ合いである船頭の兆(きざし)は礼を言った。
兆は百樹に羽織を貸した男であり、金太郎の友人でもある。
特に止める様子もなく見物していた男に金太郎は友達がいがないという。
助けに入った百樹の様子と陰間時代の名残である人懐こさですっかり金太郎に気に入られた百樹であるが何やらここから話が動いていく様子。
そして場面は変わって夜の渡し船が静かに走る水面。
船頭は兆、客は千、兆は千に言う
「旦那、私を、抱いてくだせェ…」
あっちとこっちのそっちとどっち?が繋がる回
あっちこっち大変なことになってるけど、そうかそこ全部つなげちゃうんだ!?という1話でした。
百樹ははからずも卍の火消し時代の同僚に気に入られ金太郎に組に誘いたいと言われている。
卍と確執のある綱はそれを聞いて金太郎がそんなに言うなら俺が話をつけに出向いてやると。
卍が必死に避けてても会いに来られちゃどうもなんねえや!どうする!
そして久々の登場、千だけど彼の忘れられない男の兄・兆が登場。
双子という設定で瓜二つと思っていいのかな?とてもきれいな顔をしたなよっと系の男です。
えーでもさーえーえーえー、やっぱり百樹の言う通り千は主導権を握ってくれる人のほうがいいともうんだけど。これは願望である。
田亀源五郎風で行こうよと思った発展の回でした。次回また!
『百と卍』第21話「盂蘭盆会(うらぼんえ)」ネタバレ感想始まるよ
- 20話からちょっとだけ時間を戻して、卍の視点でお話が始まり。
- 百樹は喧嘩を止めに入ったことを卍に話すものの、昔の火消し仲間であった金太郎のことは伏せる。
- 船頭の兆には恋女房と子供がいるが、江戸の風習で千に惚れている。
【お知らせ】2019年4月25日発売、雑誌「onBLUE vol.40」に #百と卍 第22話『盂蘭盆会(うらぼんえ)』が掲載されます。大変なことに46ページもあります。早いもので次のお話までが単行本3巻分に収録予定です!どうぞよろしくお願いいたします🍑 pic.twitter.com/cLfdgKQv9R
— 紗久楽さわ (@climnon) 2019年4月16日
ネタバレ
江戸は盆を迎えた。
寺子屋に百樹を迎えにやってきた卍は行き違いになっていたことを知り縁側に腰を下ろして先生と話をする。初めて生で卍を見た先生はその鋭利な美貌に圧倒されて、べらべらと話し出す。
「陰間時代に粗野で乱暴な態度は戒められてきた分、立ち振舞も申し分ねえし…」
それを聞いて卍は掴みかかり「弄ばれるために都合よく教え込まれることが良い訳あるか」とにらみつける。
あまりの態度に「百公にはそんな手荒なことはしてないだろうね!?」と去っていく背に投げかける先生だが「…奴を見ててわからねえのかよ、それか閨(ねや)でのことでも?」とからかわれる始末。
真面目に生きてきたであろう先生は卍の生き方が全くわからないという、この先百樹とどうしていくんだと聞かれると、二人でどうとでもなるとなにか考えがある様子。
夜も更けた頃、やっと百樹が帰ってきた。卍はとっくに帰宅している。
どこほっつき歩いてたと聞く卍に、頼まれた新しい篠笛を取りに行っていたという百樹。
さらに百樹が持って帰ってきた男物の羽織のことをのことを見咎めると、妬いてんのか?とからかわれる。
十六夜や金太郎や兆のことを話した百樹だが詳しい部分は伏せた。
翌日、様子のおかしかった百樹にくっついて卍も外出する。渡し場までやってきて、兆のきれいな顔立ちを見た卍は「てめえ身内は?」と聞く。兆はあっさりと妻子持ちであることを告白し卍は安堵した。
百樹は兆とともに船に乗る。卍は安心したのでその様子を眺めながら帰路へ。
漕ぎ出してそう立たないうちに、兆の馴染みの客だという船に手招きされた。中では芸妓たちと男が遊んでいる様子。
「巡り合ったが百年目だなあ、お盆野郎、いや月百姿…?」
中には鵺の千がいた。その姿を見て百樹はぎょっとしすぐに船を離すように言う。それを見ていた卍もそちらへ向かって駆け出した。
暴言の限りを尽くす千に立ち向かう百樹だが、
「そうやって陰間時分からうまい汁ばかりを吸って…弱えふりや甘えたフリで男を手玉にとって来やがったんだろう…可愛がられるだけで安穏として、さぞこの人生は楽なもんだろうな」
そう蔑まれたにもかかわらず、目を輝かせ何かを耐えるようにうつむく百樹。
顔をあげると廓言葉で話し始める。
「陰間にしたら不気味なくらい大きいなって、そんな子は売れへん!…見当違い、でもそうみえたんならかまへん、今の兄ぃといる俺はずっと幸せに生きてきた子にみえるんや」
そう言って微笑んだ百樹に掴みかかろうとした千だが、既のところで兆が船を離す。
今回46Pもあるんでこのへんで!
一回分飛んだからか今回長かった〜、この後に実は千の彫り物を入れた男と兆は生き別れていたこととかが入ってきます。
なんか最近悩み抜いてるのは百樹の方で、卍どんは吹っ切れた感じがして今回も百樹をしっかり支えてあげる役目を果たしていた。
そんなことどうでもいいし興味ねえ、って考え方は見ようによっては無気力なようだけど大事なことだよね。ある程度の見切りって必要なのかも。
しかしながら百樹はどんどん大きくなっていってるな!?お顔が小さい分なんかすごい巨体に見える…
卍は一応今後のことを考えてるようだけど、例えば「東海道中膝栗毛」の弥次さん喜多さんみたいに旅に出るとかどうかしら?
次の話までで3巻出版みたいだから期待して待つ!