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💎ネタバレ感想|鹿島こたる『うつくしい体』|圧倒的な美しさが最後のページまで続く

「今まで見た中でもっとも白くなめらかな肢体、この肌にこれから墨を入れるのだと思うと…どうしようもない高揚感が襲ってくる」

『うつくしい体』の評価
ストーリー
(3.0)
キャラクター
(3.0)
美しさ
(5.0)
総合評価
(3.0)

他とは一線を画す美しい装丁で腐女子の心を鷲掴みにした鹿島こたるの新作が出ていたのでチェック。

芸術が話の中心になっていく、相変わらず絵が美しい。

ざっくりポイント
  1. 過去になにか事情がありそうな駆け出しの彫師・夕路(ユウジ)
  2. 日本画界の巨匠・花田泰泉に心酔するモデル・ミチル
  3. 泰泉に言われるがまま彼の作品を体に刻もうとするミチルだが…

鹿島こたる『うつくしい体』あらすじ

『この体に墨を入れるのだと思うと―…高揚感が襲ってくる』駆け出しの彫り師・夕路の元に舞い込んだ一件の依頼。それは、巨匠・花田泰泉の名画をミチルの体に彫ること。ミチルは15年間ずっと、泰泉の作品のモデルとして“先生のためだけ”に生きてきた。ミチルの美しい顔、美しい体、そのすべてが泰泉の創作の源であり溺愛、そしてミチルもまた彼に心酔していた。そんなミチルの体に刺青を挿れることになった夕路は、彼の白くなめらかな肢体を前にした時、自分の心の内で溢れだす獣の香を感じ取った。『外もナカも彼に俺を刻み付けることができたら―…』ゲイの肉食系彫師×巨匠に飼われる世間知らずな美青年、体と心を染める欲望の刻印―…。(Rentaより引用)

『うつくしい体』のネタバレ感想

大変美しいBLでした!素晴らしい!
例えるなら無駄なセリフを排除して美しい風景や芸術を言葉とする映画のような雰囲気。これも鹿島こたるさん絵があってこそ成り立つなあと実感。おじいちゃん画家から依存先を若手の彫師に替えただけで終わらないところがこのBLがそこら辺で埋もれない要素になっていると思う。しかし電車の乗り方も知らなかったみちるはかわいいな。
お話自体は突飛な出来事もなく収まるところに収まります。おじいちゃん画家の依頼でおじいちゃんのペットみたいなミチルに入れ墨を彫る元若手芸術家で現彫師の夕路。作品のために信頼関係を築こうと出かけるうちに二人は惹かれ合い体の関係を持ちます。おじいちゃん以外と交流を持ったこともないミチルは彼に惹かれ自分を客としてしか見てくれていない彫り終わったらこの関係も終わりと悩み始めて、その結果彫り終わる寸前だった入れ墨を力いっぱい引っ掻いてぐちゃぐちゃに。その一件でおじいちゃんに追い出され行くところもなく夕路のところに。二人の作品にしようと治った傷の上から新たに夕路が彫りを入れていきます。過去におじいちゃん画家の作品の圧倒的な力に押され筆を折ってしまったことのある夕路は思い悩みますが、ミチルの助けもありなんとかその壁を乗り越えます。そんな時、夕路にニューヨークでギャラリーを経営するオーナーから仕事の誘いが。夕路が自分をおいて遠くへ行ってしまうと一度はその話を無断で隠したミチルは結局自分の写った作品のネガをオーナーに送りつけ、夕路は一躍時の人となります。最終的に二人一緒にNYで新生活を始めることに、めでたしめでたし。

鹿島こたるの強みは、その美しい絵に限る。

テーマや筋書きもそれなりに悪くはないが「漫画」としての描写、コマ割りであったり絵の動きであったりというものはどこか「イラスト」の要素が強く出ているように思う。

笠井あゆみさんのように一枚絵は神のごとく強いけども、漫画になってしまうと途端に魅力が薄れてしまうなあと思っていた。

前作『あなたはいやらしい人』も表紙に惹かれて購入したが少しがっかりしたのだ。

めっちゃ歌上手いけど容姿がうけなくて売れない歌手の逆バージョンのような…

それでもこうして買って読んでしまうのは絵の魅力に取り憑かれているからだが、最近読んだ『調教覚醒BL』の読み切り話が結構良かったというのもある。

🎀ネタバレ感想|『調教覚醒BL』突然始まるSFの世界

お話はあらすじの通り進む

刺青を挿れる痛みに怯えるミチルに「スターウォーズ」もとい「スターウォリアーズ」を見せて緊張を解きほぐそうとする夕路の優しさ。

見たことのない映画に子供のような未邪気な顔で目を輝かせるミチル。

泰泉に囲われて育ったのか人との距離感がどこかおかしいミチルの妖艶な雰囲気は圧巻だった。

一つ、今後の展開に関わる伏線があった。

泰泉の自宅に刺青についての話をしに訪れた夕路はギャラリーの奥まった部屋で一枚の絵を見つけ、

「ん…?――いや…気のせいだな」

と発言している。

魂である芸術を刻むのであれば駆け出しの彫師でなくとも泰泉の信用に値するものを見つければよかったはずだ。

結局これは泰泉がギャラリーのオーナーと知り合いで誰かいい彫師は居ないかとたずねた所、一方的に注目していた夕路を紹介したという縁が回り回ったものでした。

同じ画廊に飾られるくらいなんだから芸術キチってるおじいちゃんも夕路の存在を認識していたのかな。

自分の芸術を壊されてあっさりミチルを追い出すおじいちゃんですが最後にはまた新しい御小姓抱えてました。

鹿島こたるさん次は中世ヨーロッパが舞台のオメガバースものらしくてこっちもたまんねえ。

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