KindleアンリミテッドのBL読み放題一覧ʕº̫͡ºʔ

🖋ネタバレ感想|『先輩さまの言うとおり』晴川シンタ|お仕事BLは好きですか

こんにちわ〜限界OLです

久々にお仕事濃い目のBL漫画を読んだ。

作者さんが実際に業界に勤められていたそうでリアルな感じが出ていて想像していた話とはちょっと違ったけどなるほどな〜と思える本。

公式のあらすじを読んでしまうとはっきり書いてあるが、本の中で取り上げられているフェチについての扱いが斬新で面白い。

フェティシズムの嗜好を好きな相手に当てはめることでより興奮すると言った従来の描き方ではなく、フェティシズムの興奮をより強力にするための媒体として好きな人物が存在し、その媒体から生じたエネルギーを更に違うものへと昇華させるというものだ。

勢い良く描かれていて非常に新しい感覚を受けた。

一言まとめ

大学の先輩のことが好きで後を追って入社した会社で日々奮闘している内に先輩と身体の関係ができるけど、実は先輩は仕事バカの◯◯フェチで◯◯を想像することで体と脳が大興奮して仕事のアイデアがメキメキ湧いてくるという変態だった。そんな先輩でも大好きなので言うことを聞いていたが、先輩の命である仕事のことをけなしてしまい…

ネタバレまとめ

「お前…伊東の大学のときの後輩なのか!?」

「実は…」

「そうだったのかよ〜、結構いい大学だろ?なんでこんな小さいデザイン事務所に…」

「前からこの業界に興味がありまして…」

上司への建前そう話す勇太だが、本当のところは大学のサークルで一緒だった伊東先輩の尻を追いかけてきたに過ぎなかった。

勇太は伊東が好きだった。伊東の作品も、作業に打ち込む真面目な姿も…完璧な姿も…

「勇太」

終業後の帰り道たまたま一緒になった伊東がぼんやりと歩く勇太に話しかける。

「お前何線だっけ??…って、なんか顔赤くない?」

急に話しかけられ先輩のことを思わず意識してしまった。

「大丈夫です!」

「お前昔から疲れるとすぐ顔赤くなってたよなあ…あと、嘘つく時とか…体調悪いならうちで休んでいけば?無理すんな」

「大丈夫です!!!」

そう声を荒げる勇太に伊東はどんどん接近してくる。

「遠慮すんなって」

勇太は顔を真赤にして涙ぐみながら「だ、大丈夫じゃ…ないです…」と絞り出すように答えた。

「伊東〜!松本〜!!帰る前にいっぱい飲んで…」

退社してきた同僚から声がかかり、伊東は勇太を物陰に引き入れた。

「あれ?二人共いねえし…」

「先に帰ったんでしょー」

「あいつら仲いいもんな」

勇太を暗がりの壁際に囲い込んで耳元で呟く。

「勇太…ウチ…来る?大丈夫じゃない理由教えてよ」

お仕事BL

三浦しをん先生の『シュミじゃないんだ』で語られるお仕事を主体としたBLはめっきり少なくなったなと感じる昨今であるが、この作品に関しては作者がその業界で働いていたことが良い風味になっていると感じた。

少なくなってきた中でもお仕事系で最近良く取り上げられているのは芸能人ものだろうと思う。

芸能人ものといえば「春を抱いていた」が私の中にはぱっと思いつくのだが、春抱きから更に進化したBL業界では勢いづくアイドル文化や若手俳優の隆盛がどっと流れ込んできたふうに見て取れる。

完全な創作というよりは、表に出せないモデルあっての二次創作というように考えているがそれがすけて見えてしまっている創作はいただけないなあと感じることも多い。

老いも若きもSNS文化に取り込まれ「情報を発信する」という機会が近年コンビニエンスな飛躍を見せた。

BL作家も例外ではない。

作品と作者との共通項を見出すことがいいときもあれば作品自体を良くない方面に落とし込んでしまう場合もあって、「作品」を「作品」として独立した創作物だと認識している方が私としては楽しみが深いように思う。

力いっぱい脱線したが、私の好きなお仕事系は西田東先生の書かれる系統や実際に学校に通ってみたいなと思ったエンバーマーという職業を描く木原音瀬「吸血鬼と愉快な仲間たち」など「男」文化の中だからこそ、取り上げることの出来る特殊な職業がやっぱり読んでいて楽しい。

セールスプロモーション広告

何の話だよ、ってくらい脱線しましたが本の感想に戻ります。

勇太と伊東先輩が勤務するのは、主にセールスプロモーション広告という家電量販店などで製品を宣伝するために用いられるポップのようなものの企画・デザインを請け負っている会社です。

展示されている冷蔵庫の中に貼ってある広告や乾燥機の仕上がり具合を伝えるミニタオル、床に貼られた誘導シールまでいろんなものをデザインするお仕事。

伊東先輩はこの仕事に命を捧げちゃってる風です。

この仕事の面白いところはお客さんを誘導できちゃうところかな。

一般的に「デザイン会社」って言われて連想するのはポスターとか雑誌なんだけどデザイン業界には色んな分野のプロがいて俺達の仕事はいろんな道具を使って「見て」「触って」「感じて」もらうことが出来る。

いろんな手法で商品をプロモーションできるから次はどう見せようとか、何を使おうとか、ワクワクするんだよね

お客さんの一番近くで商品と自分の作品を手に取ってもらえるんだぜ。面白いだろ?

(『先輩さまの言うとおり』晴川シンタ より)

この仕事に対して愛が溢れている先輩の様子が伝わるかと思います。

◯◯フェチ

そんなお仕事大好き人間伊東先輩ですが、ちょっと何言ってるのかわからない部分がありまして

「実は俺◯◯見てると◯◯◯と頭にエネルギーが集中するんだよね、それでアイデアが」

ちょっとよくわかんない、ちょっとまって、ちょっとまってね…

ってなりました。

勇太は先輩に対してイエスマンなんだけども別にこの仕事が大好きなわけではない

先輩は仕事が大好きで◯◯へのエネルギーを更に仕事に活かしてしまう変態

◯◯をよりよいエネルギーに変換してくれるのが勇太という媒体

つまりこれは、三角関係の話…?

先輩はほんとに勇太への愛があるんですかぁ!?って最後まできになりました。