ガッっと騙されて持っていかれた!と思った後にいざ待ちに待った本誌を読んで、あの掴みだけで終わらせない表情豊かな物語にちょっと息も絶え絶え…
読みながらあんまりすごくて先に進めなくなってしまう本の部類だ…
年下攻めが好きなら是非読んでみてほしい。
もくじ
2019/04/12追記:後日談となるアフターストーリーの同人誌が電子化されました!
一言まとめ
恋人の誕生日にプレゼントを用意するため住み込みで旅館のアルバイトをすることになった20歳の大学生が、旅館の跡取り息子とゆっくり歩んでいく物語。
「ブルー!ブルー!ブルー!」のネタバレ
蝉の声がかしましい山道を一人の青年が歩いている。
大荷物を抱えて汗だくだ。
背後から近づいた車がクラクションを鳴らす。
「…滝谷桔平(たきやきっぺい)くん?」
「…はい…えっと…」
「せせらぎ旅館の本条です。ここの山道結構キツかったろう、向かいながら話そうか」
今日から、青年こと滝谷桔平はこの男のもとで働くことになる。
話は三日前まで遡る。
“金がねえ”そう心のうちでボヤく桔平に姉が話しかける。
「なに桔平〜夏休みなのに家でずっとだらだらしてるわけ〜?今日バイトは?」
「改装入ってしばらく休み」
「じゃあ付き合いなよ〜」
「イヤ予定ある」
「桔平あんた最近彼女のとこ入り浸ってんでしょ。たまには家に連れてきて姉ちゃん達に紹介しなよ。四人で飲みに行こつってんじゃん」
二人目の姉がそう割り込んで来る。
「ちゃんと避妊しなよお」
かわるがわる話しかけてくる二人の姉に愛想を尽かし、夜の街へランニングに出かけた桔平は求人チラシを偶然見つけその場で電話をかける。
「求人チラシ見たんですけど…もう募集終わってますか?あ、はい学生です。20歳です。レストランとか居酒屋ですね…はいそうです。あぁ…体力は自信あります…えっ?採用ですか?」
というわけで、
「本当にタイミングが良かったよ、ちょうどこの前一人辞めちゃってね。女将です。」
「よく来たね」
「滝谷桔平です。宜しくお願いします。」
「業務には明日から入ってもらうから今日は寮の部屋でゆっくりしてるといいよ」
「わかりました」
「…身長いくつ?」
「184ス…」
「バイト最年少だけど一番大きいなあ」
本条は桔平よりも十センチほど小さいだろうか、体格のいい青年に女将も本条も機嫌が良さそうである。
部屋は二回の角部屋でトイレは共同、寮生用の風呂場が壊れているから入浴は館内の大浴場で、女子寮は隣だけど忍び込んだりしないこと、部屋の壁は薄くてWi-Fiなんて飛んでない。
今日から一ヶ月間、ここが桔平の根城だ。
空気感に弱い
単純にこういう匂いや音がリアルに描写されるものに弱いから面白かったのかなとも思ったけど、やっぱり流れるようにするする進むストーリーが最高にいい出来だから相乗効果!という結論に至った。
この夏の空気っていうのはどこか日本独特のものがあって、夏休み文化の恩恵だなあとしみじみ感じるけども学生じゃなくなってしまうとこの空気感も余計に物悲しく…
悲しくなるので私は毎夏これをやります。最高。
長い休みにどこにも行かずクーラーの聞いた部屋で毛布をかぶってぼくのなつやすみをプレイする至福の時間…
脱線した。
とにかく、絵なり文なりで実際にその場の空気を丹念に描写できる才能というのが大好きでこの漫画にはそれに加えて、「目に見えない第三者」に操られていないストーリーがあった。
強引にストーリーを進めていく漫画というのは上手くやれば勢いがあって面白いものになるが、下手に進めてしまうと「第三者」の意図が透けて見えてしまうことがある。
この展開に持っていきたいからこのキャラクターにこの行動を取らせるという「神」が存在してしまうと読まされいている感が半端ない。
「日常」というのは人と人との流れがときに交わり離れて影響し合う事もあれば付かず離れずなにも関わること無く流れていくようなものだ。
「ああしたいからこうしよう」「こうありたいからああなろう」という個人の意志とは離れたところで、流れる水のように静かに状況が変わっていく面白さ。
対岸を眺めているだけでも物語は成立する。
『ブルー!ブルー!ブルー!』では、そんな風に時に交わったかと思えば平行線でゆっくりゆっくり時をすすめて夏の盛りを終えてしまう。
「ひと夏の恋」と銘打たれるようなものではないということがはっきりと分かる。
一時的に盛り上がっているのではなくて、季節とともに流れていく日常と淡い恋心。
しんと静まり返る冬に彼等はどこへ向かうのか。
続編はありますね?ありますよね?
ちょっと興奮しすぎてめっちゃポエマーになった。
ネタバレしてしまうが、最後の最後まで二人はなかなか結ばれない!!!
最後の最後の最後に描き下ろしでちょっとしたわくわくがあるがそれも2ページ程度で…
ちょっともう一冊続きを書くには工夫が必要な話かもしれないけど、売れに売れれば期待が持てる!読んだ人は買って!
是非続編を読みたい。
2019/04/12追記:続編出た
「ブルー!ブルー!ブルー!」について最後に一つ
気になった部分があった。
本条さんの大学の先輩という人が出てくるんだけど、この人が自分から本条に声をかけたという描写がはっきりと書かれていたことは何を意味するんだろうとちょっぴり不思議になった。
腐女子思考に侵されてはや数十年なのだから、邪推か?とも思ったがこれだけはっきり書かれると友情以上の何かを感じてしまう。
女は特に、「好き」という感情と「性」という肉体の情報が結びつかない生物なので考えれば考えるほど混乱。
どっちにしても、結婚してしまったんならどうしようもないよね。
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