
全く期待しないで読み始めたら予想を上回る面白さだった!
受けも攻めもガッツリマッチョで大変好みでした。
要所要所の描き方が上手くて飽きさせない作家さん。
昔は中性的な人とかきれいめな方が読んでて楽しかったけど近年のマッチョに心が躍る変化がすごいや。
食わず嫌いしないで食べ続けると好物になる現象なのか、最近のBL界で受け入れ体制が整ったのか!まあなんにしても美味しいね。
一言あらすじ
施工管理者として工務店で働く平凡くんの現場に一流内装デザイナーのスパダリがやってきて、穴場ディナーに高級車にスパダリ感をプンプン匂い立たせてあっという間に平凡くんが食われちゃったと思ったら、スパダリ海外転勤!?の流れになったけどしっかり幸せになりました。
ネタバレあらすじ
今日から新しい案件が始まる。
楢木(ならき)は工務店に勤めており、今日はスイーツ激戦区に出店するカフェの内装について現場の仕切りを任されることになった。
現場の職人は昔気質の人間も多く悪い人たちではないが楢木はやっとのことで仲良くなったようだ。
現場に出勤すると、職人たちはデザイン雑誌を片手に一緒に仕事をすることになっている新進気鋭の内装デザイナーについて語り合っていた。
「俺ァわかるんだよ!このテの顔は…絶対モテる!!」
「外車乗ってる!いい女抱いてる!!ナメられんじゃねえぞお前らァ!!」
そこに現れた男前が楢木に名乗る。
「初めまして竹中です。今回のカフェの内装を担当させて頂く者です。」
なんか一流のオーラする〜!と楢木はたじたじだ。
そこへ早速喧嘩を売りに来る親方が、
「新進気鋭だかなんだか知らねえが現場で働くのは俺たち職人だ。なんでもご自分の好きにできると思っちゃ困るぜ」
「僕の方こそお会いするのを楽しみにしていました、親方!絶対妥協しない職人集団だと聞いております。そんな皆さんと仕事ができて光栄です!」
完璧なその態度に親方もたいたじだ。
これがスパダリパワーである。
無事に現場も一段落し、帰り際に竹中と立ち話をする楢木
「君はやさしいなあ控えめだし、良いねそういうトコ」
そう言われたのと同時に、すっと顎をすくわれて「これからヨロシク、カントクさん」とほっぺにキスをされてしまう。
「なっ何するんですか!」
と飛び上がる楢木に竹中は、
「ああつい、海外のクセで」
とごまかしたがどこか悪巧みをするような目をして笑ってみせた。
それから数日、なんだ!?と竹中のことが気になって仕方がない様子の楢木。
しかし、仕事が忙しくて午前様は当たり前、食事は馴染みのパン屋で買ったパンだけという生活の楢木にはそこまで気を配る余裕はない。
ある日の現場で楢木が青い顔をしていると、
「…楢木くん先週よりちょっと疲れてる?」
と気遣ってくる。
色々と思い出したり言い訳をしたり必死な様子の楢木をみて竹中は強引に食事に誘ってきた。
事務所にスポーツカーで迎えに来た竹中は、楢木をおしゃれな多国籍料理店へ連れて行く。
仕事ができて、おしゃれな店を知っていて、スポーツカーを乗り回す完璧な男に楢木はどこか落ち込んだ様子で、それを気にかけてか竹中はピニャコラーダというトロピカルなカクテルを注文してくれる。
場が和み、酒に弱い楢木はあっという間にべろべろ、竹中にいろいろな話をしていく。
そうして一人で歩けなくなった楢木を竹中は自宅に連れ込んで……
平凡で素直がいい
面白いとか優しいとかより心をざわつかせない人間がいちばんだろ、と最近良く思いますがそれを体現している受けでした。
この竹中は相当腹黒い男なので…あの…まんまと…まあ好きなら良いか!!!
上にも書きましたが本当に全く期待しないで読み始めて、どうせなんかつまんないこととごちゃごちゃヤッて最後までやらないんでしょ〜程度の認識が結構ぶっ壊されました。
漫画でも小説でも、今まで読んできたものが脳に刷り込まれてるからそのテンプレをぶっ壊してくれる瞬間がいちばん気持ちいいんだよね。
まあ、わかりきっている話をわかりきって読むのも好きですが。
上の続きになりますが、あっちゅうまに連れ込まれてやられてしまいます!!!
それが意外に楢木の受けポテンシャルが高くて(BLあるあるだけど)めちゃくちゃ可愛かったです!!!泣き出すのってかわいいよね。
最中に、いつから俺のことを!?ハァハァと楢木が聞くと「入り口でぶつかった時から」と、最初っからやないですか!目つけるのは早すぎ。
その後またすぐ二回目があるんですが、翌朝出てきたご飯がエッグベネディクトでした。
エッグベネディクト
エッグベネディクト
…
それを食べながら、スパダリが俺に惚れるなんて!?と半信半疑な楢木が疑いをかけると、
「さっきも言ったけど決めた相手には本気だし同時に複数を相手にもしないよ」
という態度に、ぽぽっと頬を赤らめて
「竹中さんはそこまで真剣に俺とおつきあいするつもりでいたんだとおもって…」
そう言われて竹中がもう、たまらんって顔してるのが最高でした!
自分が色々裏で仕組んだりとか、腹の中で黒いことを思っている分、ド直球に素直に来られると弱いんだよねわかるよ。
クレーマーは殴るより褒めろってな。
そうして、難なく幸せになりかけた所に海外転勤の話が…
なんだよ!!!もう一緒に行けばいいじゃん!!!資格あるでしょ!!!という気持ちでしたが、最後どうなるかはネタバレしません!
ものすごく突飛なわけでも、斬新なストーリーなわけでもなかったけど、本当に要所要所で心臓をグッと持って行かれる作品でした。